メールやメモの束を、限られた時間で処理する演習では、案件の優先順位を問われることがあります。20件に1番から20番までの番号を付ける形もあれば、案件ごとに高・中・低を付ける形もあります。
当サイトでは、購入者のレビュー206件を分類しました(2026年10月)。この演習の解き方、優先順位、時間配分を求めた声が46件ありました。
本への不満として、優先順位の付け方が書かれていない、という声もありました。件数は検索語の選び方に左右されるので、よくある要望の一つとして見てください。
この記事では、優先順位を「順番当て」ではなく「グループ分け」で考える手順を説明します。
※この記事に出てくる会社、人物、案件は、説明のために作った架空のものです。
評価する側は、細かい順番より大きなずれを見る
優先順位は、1番から20番までを正確に当てるものではない、という説明があります。急ぐべき案件を後ろに回していないか、急がない案件に時間を使っていないか、という大きなずれが見られる、という考え方です。知恵袋の回答などでの説明で、公式の基準ではありません。
この考え方に立つと、7番と8番のどちらが先かで悩む時間は、あまり意味がありません。悩むなら、その案件がどのグループに入るかを悩むほうが、答えの質に響くと考えられます(推測)。
知恵袋には、時間切れで優先順位の番号を書きそびれた、という質問もありました。順番を1件ずつ決めようとすると、時間がかかります。先にグループに分けておけば、番号は後から機械的に振れます。
グループ分けの手順
演習全体の進め方では、最初の10分で全件に目を通し、4つの優先度に分ける方法を紹介しました(案件処理演習の進め方)。ここでは、その分け方を細かく説明します。
手順1:期限で2つに分ける
最初に、自分が席を外す前に動く必要があるかどうかだけで分けます。演習では、着任の初日や、翌日からの不在など、「時間の区切り」が設定されていることがあります。その区切りより前に、誰かが困る案件かどうかを見ます。
手順2:「前に動く」案件を、自分か人かで分ける
区切りより前に動く案件を、さらに2つに分けます。
- 自分でなければ判断できない:責任者としての判断、顧客や上司への対応、人事にかかわること
- 判断だけして、人に任せられる:手順が決まっている作業、担当がはっきりしている確かめごと
ここで「全部自分で」とすると、自分のグループがふくらみ、時間が足りなくなります。任せる案件でも、誰に、いつまでに、どう報告してもらうかは書きます。
手順3:残りを「急がない」と「処理しなくてよい」に分ける
区切りの後でよい案件のうち、自分の部署が動く必要のない案件を、処理しなくてよいグループに入れます。見分け方は、処理しなくてよい案件と急がない至急の見分け方で説明しました。
手順4:つながる案件を、高いほうのグループにそろえる
同じ人、同じ日付、同じ出来事が出てくる案件は、つながっていることがあります。つながる案件どうしが別のグループに分かれていたら、高いほうのグループにそろえます。一方だけを先に処理すると、もう一方の情報を使えないからです。
グループの中の順番の決め方
番号を付ける形式なら、グループの中の順番を決めます。迷ったら、次の順で決めます。
- 影響が広い案件を先に(顧客や住民など外の人、部署全体にかかわるもの)
- 期限が早い案件を先に
- ほかの案件の前提になる案件を先に
この3つで決まらなければ、どちらが先でも大きな差はないと考えて、先に進みます。グループが正しければ、中の順番の違いは小さなずれにとどまると考えられます(推測)。
架空の例:スーパーの店長の8案件
場面:地域のスーパーの店長に着任して2週目の月曜の朝です。明日と明後日は、近くに新しく開く系列店の応援に入るため、自分の店には出ません。机の上に、次の8件がありました。
| 案件 | 中身(要約) |
|---|---|
| ア | 本部から、来週の売り場の棚替えの計画表の提出依頼(締切は木曜) |
| イ | 青果の担当から、明朝の入荷の業者が替わると連絡。新しい業者との検品の手順が決まっていない |
| ウ | 仕入れ先から、明日のチラシの特売品が、欠品で半分しか届かない見込み(チラシは配布済み) |
| エ | パートの担当者から、来月のシフトの希望が土日に偏っているという相談 |
| オ | 近くの店の店長会から、懇親会の出欠の確認(締切は再来週) |
| カ | お客様の声の窓口から、先週も特売品が買えなかったという声が2件 |
| キ | 本部の販促部から、来月のポイントの施策の説明資料(読んでおくだけ) |
| ク | 副店長から、月末の棚卸しの日と、近くの小学校の店舗見学の受け入れの日が重なっているという相談 |
区切りは「明日から2日間の不在」です。手順に沿って分けると、次のようになります。
| グループ | 案件 | 理由 |
|---|---|---|
| 前に動く・自分 | ウ、カ | 明日の売り場で、お客様が困る。チラシの対応は店長の判断 |
| 前に動く・任せる | イ | 明朝の入荷に間に合わせる。手順は青果の担当と副店長で決められる |
| 急がない | ア、エ、ク | 締切や影響は、店に戻った後でも間に合う |
| 処理しなくてよい | オ、キ | 自分の判断が要らない。必要なら一言だけ返す |
ウとカは、どちらも特売品の欠品の話です。カだけを見ると急がない声に見えますが、ウとつながるので、同じグループにそろえました。先週も同じことが起きていたなら、仕入れの仕組みの問題かもしれません。
アは締切が木曜で、店に戻った日に仕上げても間に合います。ただし、戻った日にすぐ仕上げられるよう、副店長に下準備を頼む一言は書いておきます。
「前に動く・自分」の2件では、ウを先にします。明日の売り場でお客様にどう伝えるかは、今日のうちに決めないと間に合わないからです。カは、ウの対応を決めた後に、先週の欠品の原因を確かめる案件として扱います。
「急がない」の3件では、クを先にします。棚卸しと見学の受け入れの日の調整は、学校やパートの人の予定にも響くので、早めに方針だけ伝えます。アとエは、戻った日に取りかかる順で並べます。
答えの形式に合わせて書く
グループが決まれば、答えの形式に合わせて書き出すだけです。
- 1番から順に番号を付ける形式:グループの上から順に、中の順番どおり番号を振ります。時間が足りないときも、グループだけは先に書いておけば、番号の書き落としを防げます。
- 高・中・低を付ける形式:「前に動く」の2つを高、「急がない」を中、「処理しなくてよい」を低にします。
- 案件ごとに処理を書く形式:各案件の冒頭に、グループと、そう判断した理由を一言書きます。たとえば「明日の売り場に響くため、本日中に対応」のような形です。
理由の一言があれば、評価する側と分け方が違ったときも、考え方は伝わると考えられます(推測)。
迷ったときは、高いほうに入れる
2つのグループのどちらか迷う案件は、高いほうのグループに入れます。高く見積もった案件を短く書くことはできますが、低く見積もって書かなかった案件は、取り戻せないからです。
ただし、高いグループに入れすぎると、時間が足りなくなります。「前に動く・自分」が全体の4分の1を超えたら、任せられる案件がまぎれていないかを見直します。この4分の1は、当サイトの推測による目安です。
一人で練習するときの手順
グループ分けは、本文を全部読まなくても練習できます。
- 案件の束の件名と差出人だけを見て、4つのグループに分ける
- 本文を読み、分け直す
- 分け方が変わった案件に印を付け、何を読んで変えたかを一言書く
印の付いた案件が、自分の読み違いの癖です。業種が違う設定でも、「区切りの前に誰が困るか」は本文から読み取れます。
一人で練習するときの限界
自分で作った案件では、どれがどのグループかを知ったうえで分けることになります。初めて読む案件で分ける練習には、他人が作った案件が要ります。
昇格パスの無料体験では、案件処理演習の1案件を5分で試せます。書き終えると評価票が出て、観点ごとの評価と、根拠になった自分の記述を確かめられます。
体験は1件なので、グループ分けの練習にはなりません。分けた後に、急ぐ案件を型で書く練習として使えます。匿名で使え、会社に知らせることはありません。
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